黄金比を使ったステンドグラス(デザイン・ガラス選び編)

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先日ご紹介した新構成学にも出てきた「黄金比」、をつかったステンドグラスパネルを作成する試みです。先ずはデザインから。


さて、どんなものができるでしょうか。



黄金比とは?

黄金比とは、1:1.6180339・・・・((1+√2)/2)として表される比のことです。古代ギリシア以来「神の比」とまで呼ばれ、人間にとって最も安定し、美しい比率とされています。


しかし、本当にそうなのか?という疑問があります。世間一般で良いと言われているので、妄信的に良いと思ってしまっている可能性もあります。人間の先入観はすごいですから。


他にも、なぜ1.168なのか?、1:1.5(2:3)ではダメなのか?など、いろいろ突っ込みたいところはあります。






では、黄金比以外にはどんな比率があるのでしょうか。調べてみたところ、

  • 白銀比(1:√2)
  • 等分1:1
  • 1:2
  • 2:3
  • 3:4
  • 5:8
  • 16:9

などがあるようです。


そこで、ちょっと実験してみましょう。以下に長方形を分割した線があります。ぱっと見の印象で、どれがもっとも美しい分割線でしょうか。

A

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B

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C

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D

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E

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F

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G

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H

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自分でも答えがわからないようにして実験したところ、なんとなく「B」かな、と思いました。しかし、黄金比は「C」です。

  • A: 1:2
  • B: 9:16
  • C: 1:1.618(黄金比)
  • D: 5:8
  • E:2:3
  • F: 1: 1.4142(√2)
  • G: 3:4
  • H: 1:1

・・・外しましたが、そう言われると「C」美しく見えるから不思議です。


結論として、個人的には、黄金比はそこそこ使えるのでは?と思います。


ちなみに、自然の中にもなぜか黄金比になっているものが結構あるらしいです(植物の葉の並び方や巻き貝の中など)。





黄金比を使ったステンドグラスデザイン

実際にパネルを組むので、条件があります。

  • パネルのフルサイズ: W1360 H495
  • アウト(外枠)はFH-12を使用。
  • ピースは少なめ
  • 簡単で時間の掛からないもの

Illustratorで1/10のスケールでデザインしていきます。


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先ず外枠を引きます。


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横長なので、横に黄金比で分割します。


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縦も黄金比で分割します。交点ができましたので、ここをパネルの中心部(メイン、見せ場)とします。


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交点に100mmの円を置きます。今のところ、ケイムは全て12mm(FH12)です


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黄金比に分けられた横を、更に細かく黄金比で区切っていきます。


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そのままでは味がないので、アレンジしていきます。100mmの円の外側に200mmの円を半分書きます。縦線を一部消します。細い線は6mmです。


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・・・うーん、、なんかちょっと退屈な感じですね。もう少し個性を出してきましょう。横線を3本に増やします。


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バランスを保つために、左側の方にもアクセントを付けます。線画はこれで完成です。


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色を付けます。

  • 丸の部分は、100mm径のロンデルという特殊なガラスを使うことにします。色はクリアです。
  • バックは分かり易く薄いブルーのグラデーションにしてありますが、クリアのガラスを使います。
  • 帯の部分に、本サイトのイメージカラー!?でもあるオレンジとブルーを使い、アクセントを付けます。
  • 細かい縦線が入っている部分はエストラドというガラスを使います。
  • ホワイトを入れます。

デザイン完成です。




ガラス選び

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クリアのロンデル。右のやつです。


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バックは全体的にスペクトラムのリップルを使います。このガラスが大量に余っているため。。


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帯のクリアの箇所はアルトドイッチェ。


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ブルーはココモのK329。


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オレンジは、、メーカー・型番不明のやつで。多分ココモのだと思います。


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スペクトラムのリップルの乳白バージョンのようなテクスチャですが、これはココモだと思われます。型番不明。ホワイトの箇所に使います。


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ココモのリップルKOP118。これもホワイトの箇所に。乳白だけだとくどいので、半透明のこれも白の箇所に使います。


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エストラド。例の細かい縦線の箇所に。





最後に

結構いい感じになりました。


黄金比は、もちろん必ずしも常にベストではないですが、「外さない」比率ではあると思います。困ったときの黄金比とでも言いましょうか。


これからも積極的に使っていこうと思います。


さて、これを元に実際にパネルをつくっていきます。制作編もお楽しみに~。



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