東京にあるオススメのステンドグラス・ベスト5

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あくまで個人的な好みだが、東京で見たステンドグラスのベスト5。


公共の場にあるステンドグラスで、わざわざ休日を使って見に行く程の価値があるものは、そんなに多くはない。






No.5小笠原伯爵邸 - 小川三知の代表作

昭和初期に小笠原長幹伯爵の屋敷として建てられた、スパニッシュ(スペイン)様式の洋館。紆余曲折を経て、現在はレストランとなっている。


月に一度程度、無料公開されているが、先着順で早々に満員になるため、見る機会を得るのは簡単ではない。ちなみに、ランチを食べに行ったついでなどにも鑑賞可能なようではある。ただし、ミシュランガイドに載るようなお店なので、ランチは8,000円ぐらいから...。


かの小川三知作のステンドグラスが、戦中・戦後を経て、1組だけ当時のままで残されている。


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ステンドグラスだけではなく、建物自体が素晴らしい。


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ロサンジュの柄を残し、その一部に抽象化した花々を配置するというセンスに脱帽。


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広い建物の中には、たくさんのロサンジュや、他にも別のステンドが入っている。





No.4東京国立博物館 - 略して東博

上野公園にある国内有数の博物館で、収蔵品の総数は10万件以上にのぼる。ここは幾つかの建物に分かれているのだが、本館の中央階段付近に目的のステンドグラスがある。


戦前に作られたもので、作者は不明。


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本館だけでもこの巨大さ。


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建物に良くマッチした重厚で巨大なステンドグラス。メリハリの効いた意匠と枯れ木や琥珀を思わせるナチュラルカラーが渋い。


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決して高級なガラスを使っている訳ではない。ステンドは、ガラスではなくガラスの組み合わせが大事だということ。




No.3目白聖公会 - 絵付けステンドの最高峰

JR目白駅から5分ほどの場所にある、キリスト教の教会。ここに、100年以上前に英国で作られられたステンドグラスが、人知れず嵌っている。


絵付けのステンドというのは、そのほとんど、9割方は稚拙な感じになってしまうが、これは違う。絵付け以外のステンド技術はビックリするくらい雑だが、そんなことが全く気にならないくらい、絵付け部分が素晴らしい。


それはもう、目白駅のステンドとは比較にならないくらいに...。


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外見はどこにでもあるような教会だが・・・。


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絵付けのステンドグラス特有の、ケイムの線により生じてしまう絵としての「違和感」が殆ど感じられない。


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色数を抑えた上品で繊細な作りになっている。それでいて緻密さ、色の対比・グラデーションが物凄く、間近で見ると圧倒されてしまう。





No.2聖路加病院・聖ルカ礼拝堂 - 撮影禁止だなんて

聖路加国際病院は築地にある大規模な総合病院。皇室とのつながりもあるとてもハイソな病院として知られている。


その敷地内にある礼拝堂のステンドが素晴らしい。残念ながら写真撮影ができないので、細部の記憶が定かではないが、ビックリするくらい素晴らしかったはずだ。ちなみに、日本人が作ったものではない。


建物の雰囲気がまた最高で、運が良ければ、巨大なパイプオルガンが奏でる音色を耳にすることもできる。


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細かなピースで構成された圧倒的な数のステンドグラス、沢山の薔薇窓。「荘厳」の一言。落ち着いた飽きのこない意匠と細部へのこだわりが、素晴らしいの一言。




No.1旧渋沢栄一邸(青淵文庫・晩香蘆) - 資本主義の祖

北区にある、渋沢栄一という日本資本主義の父と言われる人物が所有した建築物。青淵文庫(せいえんぶんこ)は書庫と閲覧室からなる、個人の図書館のような建物。晩香蘆(ばんこうろ)は洋風茶室である。


大正の初期に建てられ、100年の歴史を持つ。国指定の重要文化財。作者が明確になっていないが、日本ステンドグラス史の本流である宇野澤系の工房が制作に関わった可能性が高い。


どちらのステンドも、近年、大掛かりな修理が入っている。大昔に作られたステンドグラスは合わせガラスなしで直接外気に触れるので、そこは仕方のないことだろう。


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青淵文庫。ステンドグラスが建物の顔になっている。


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1枚が100ピースほどもあるステンドが、4連で入っている。写真ではわからないが、補強のされ方がまた凄い。


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晩香蘆。一見地味だが建物全体の随所にこだわりが見られる。和洋折衷・混然一体。


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洗練された意匠に効果的なガラス使い。これ以外にも、淡貝と擦りガラスを使ったパネルなどがある。






1.旧渋沢栄一邸(青淵文庫・晩香蘆)

2.聖路加病院・聖ルカ礼拝堂

3.目白聖公会

4.東京国立博物館

5.小笠原伯爵邸


このような結果だ。他にも同等なものがないか思い出そうとしたが、これら以外には思いつかない。


これらは全て、戦前に作られた相当古いモノ。自分だけだろうが、なぜ現代に作られたものが全く入ってこないのかな、と思ったのは。


旧渋沢栄一邸と東京国立博物館以外は入場無料なので、興味のある方は是非実際に訪れてみて欲しい。



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  1. 名前:キュウコンステンドグラス : 投稿日:2017/10/27(金) 21:33:55 ID:k3NzcxOTI

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