真鍮のエイジング加工【古美色】

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真鍮エイジング

真鍮は、新品を購入時にはピカピカに輝いている。それをそのままステンドグラスのパーツとして使うにはちょっと味気ないので、ハンダやケイムと同じくエイジング加工(古美色加工)をしたいところだ。


そこで、薬品などで強制的にエイジング加工することになる。そのまま放置しても数年経たないと変色しないので、そうする他ない。


真鍮エイジングの理想形

100年前に土に埋めたの真鍮を掘り起こしたらこうなってました、みたいな経年変化+深み。

複雑で程よいムラ。

「わざとらしくない」こと。

ステンドグラスと合わせたときに「負けない」こと。


そもそも真鍮とは

銅と亜鉛の合金で、5円玉やトランペットなどの楽器の素材として有名な金属。黄銅、ブラス(brass)とも呼ばれる。


銅2/3、亜鉛1/3程度の割合のものが一般的で、広く流通している。


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銅(Cu)

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亜鉛(Zn)

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真鍮

使用する薬品

自分の身の回りにあるものだけで行う。アンモニア系の溶液は効果が高そうだが、匂いがキツそうなので、今回はやめておく。


お酢+食塩

「真鍮 エイジング」などで検索すると良く出てくる方法。食用のものなので酸っぱい匂いはするがあまり気にならず、気軽にできるのが良いところ。

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硫酸銅

普段、ハンダの腐食に使っている、硫酸銅(硫酸銅(Ⅱ)五水和物)の粉を水で溶いたもの。以前は薬局で買えたが、今は難しそう。一生使える分くらい持っている。

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ブラッキーSN

ケイムやハンダを濃い色に腐食させることができる、業務用の黒染加工液。錫・ハンダ用として売られているが、鉛も奇麗に黒染めできる。以前、5Lのを購入してほとんど使っていない。ブラッキーCやブラッキーCNという真鍮用のものもあるようだが、買い直すのもなんなので、これを使う。原液を50%に希釈して使用する。

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重曹

昔100均で買って、たまに掃除とかで使うやつ。炭酸水素ナトリウム。洗浄・脱臭効果がある。舐めるとしょっぱい。これ自体で黒染めはできないと思うが、色の調整とかに使えそう。

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試してみる

今回はH62という、銅62%、亜鉛38%の割合の真鍮の板を使用する。厚みは0.5mm。amazonで購入。


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上から順に、お酢+食塩、硫酸銅、ブラッキーSN。塗ってから1日放置。


お酢+食塩

ほとんど変化なし


硫酸銅

最初は全く変化しないが、1日放置したら腐食していた。


ブラッキーSN

最初からみるみる黒くなる。浸せば浸すほど黒くなる感じ。何の成分がどう反応しているかは全く不明。

ここから先はすべて、ブラッキーSNで褐色になったものをベースに進めていく(上の3枚の真鍮板すべてを、先ずはブラッキーSNで褐色にする)。


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板を水で濡らして、重曹をふりかける。


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1日くらい放置して水分を乾かしたところ。


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水洗いすると、重曹で褐色が薄まって模様のようになる。


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これは重曹の代わりに食塩をふりかけたところだが、これでも同じような模様が出る(重曹の方が模様が奇麗)。


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こちらは、お酢+食塩をまばらに噴きかけた後、水洗いしたところ。お酢の効果で褐色がくっきり剥げているのがわかる。


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お酢+食塩を指で広げてこすると、お酢が強めの酸性なので、ブラッキーSNでできた褐色がみるみる剥げていく。


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こちらもお酢+食塩で褐色を薄めたところ。


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今度は、ブラッキーSNをまばらに噴きかけた後、少し放置して水洗いしたところ。ブラッキーSNの代わりに硫酸銅でこれをやると、もっとマイルドな腐食具合になる。


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このように、足す仕事(ブラッキーSN、硫酸銅)と引く仕事(お酢+食塩、重曹や食塩の粉)を意識して、複雑なテイストを出していく。


他にやったこと

ライターを使った火あぶり。真鍮の温度によって薬品の効果が変わるので、より複雑な反応が得られる。

メラミンスポンジでこする。薬品を付けた状態でこすったり、水をつけてこすったり。腐食が多少均一化する

薬品を水で完全に洗い流して数日放置。風合いが落ち着くことがある。


組み合わせによっては、思いもよらない反応が出ることもある。

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これは色々試している途中経過だが、真ん中の下の辺りに薄っすらと青い光彩が見える。


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上の画像を拡大したところ。おそらく硫酸銅との反応で、このような青色の酸化膜のようなものが形成されているのだろう。

最終結果

今回は3枚の真鍮板に対してこれらの処置を繰り返して行った。最終的な結果は以下の通り。

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最終結果①


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最終結果②


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最終結果③



基本はブラッキーSNで色を濃くしてお酢+食塩、重曹で色を落としての繰り返し。その合間に硫酸銅を塗ったりライターで炙ったりするとラスター(玉虫色)っぽい色が出ることがあったりして、それが良いアクセントになる。


色で見ると、元の真鍮の色+褐色+銅の色が出た部分+ラスターの複雑な組み合わせになっている(亜鉛の色だけが出ることはない)。


まとめ

新品の真鍮に風合いを持たせるには、薬品などで処理する必要がある。

処理の際は、足す仕事(ブラッキーSN、硫酸銅)と引く仕事(お酢+食塩、重曹や食塩の粉)を繰り返すことにより、エイジングを深めていくことになる。

硫酸銅を塗ったりライターで炙ると、思いもよらない複雑な効果が出ることもある。


以上


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