バートン邸 by フランク・ロイド・ライト
今回取り上げたライトの建物、バートン邸(Barton House)は、以前取り上げたダーウィン D.マーティン邸の隣にあり、同時期に建造されたものだ。
入っているステンドグラスの種類は特に多くはないが、この建物に入っているものだけの、特徴的な意匠が見られる。細微な特徴なので分かる人にしか分からないと思うが、これができるかどうかが、ライトのような天才と凡人の決定的な違いなのかもしれない...。
建具だけではなく、家具や照明証明にもステンドグラスが使われているようだが、詳しい情報が殆どないので、詳細は分からない。
なお、同時期の近いステンドデザインの建物として、シカゴのウォーサー邸(Walser House)が挙げられる。
George Barton House - Wikipedia(英語)
デザイン
他のライトのステンドと同様、水平・垂直線を基調とし、それに斜めの線を合わせたデザインである。写真を見る限り、斜めの線は正確に45度ではないようだが、今回はきっちり45度でデザイン画を描いた。
水平・垂直線と斜め45度の線を使うと、1:√2、√2:1の関係が随所に出てくる。Illustratorで実際に一本ずつ線を引いていくと、ライトはこれらの関係だけを巧みに使って意匠を組み立てているのが良く分かる。
細かい理屈はライトの頭の中にしかないので分かりようがないが、水平垂直と斜め45度の線だけで、兎に角、絶妙なバランスとキャッチーさを出すことに成功している。
W:500mm×H:1495mm 218p FH6、FH12
オリジナルよりもややピース数を増やし、縦長にした習作。パッと見のイメージは、ほぼオリジナルと同じ。変える必要を感じないので(変えても良くはならなかったので)、敢えて同じにしている。
W:320mm×H:574mm 222p FH5、FH12
サイズを小さくし、ケイムも細くしたバージョン。最初の大きいのを試しに作るのは流石に辛いが、これなら制作可能な大きさ。
オリジナルの要素を活かしつつ、変化も多少は入れようと最初は思ったが、隙が無さ過ぎてほぼオリジナルと同じになった。
下の方の小さい方ならば、作ろうと思えば自室で作れそうだ。時間があれば是非チャレンジしたい。