今までお古のガラスカッターを使っていたが、新しいモノを購入したのでレビューしようと思う。その名もAPIO(All Purpose In One)。
さてその切れ味は・・・と、その前にちょっとビジュアルを改造してみた。
APIOとは
日本のガラスカッター製造メーカーである三星ダイヤモンド社から出ている、一本で何でも切れる!?という触れ込みのガラスカッター。市場にはほとんど流通していようだが、とある筋から入手した。
- 三星ダイヤモンド工業社製
- 正式名:ガラスカッターM16APIO (型番:GCC-A-M16P)
- 0.8~4mm厚のガラス向き
- 刃先に特殊な刻みアリ
- ガラスの切断面が綺麗
メーカーHP:
こんな豪華な箱に入って送られてきた。
そして裏に検査済のシールが。まるでマジシャンが使うトランプの様。
中には、カッターとオイル注入用のスポイトが入っている。
この部分、歯と柄の間の部分はステンレスか何かだろうか。この部分が銀色のガラスカッターはとても珍しい。
カッターの刃の角度が緩やか。上の写真で言うところの、先端の「く」の字の部分です。135~140度ぐらいだろうか。
改造
カッターの刃の逆側をボールエンドと呼ぶそうだが、そこだけ真鍮色なのが残念なところ。統一感がないので、デザイン的にはシルバー系の色にしたいところ。
実際にしてみた。手段は半田メッキで。ところが...はい、ネジの部分も半田メッキされてしまった...(笑)。
これではネジが入らない。こうなったら、ナイフやカッター、ニッパーなどを使い、頑張ってネジ部分のハンダを削り取るしかない。
半田は柔らかいので、2、3時間掛けてハンダを削り落とすことで、何とかなる。これでねじ込める。ネジの部分の真鍮色が気になるので、そこはペンか何かで黒く塗っておくと、より良い感じになる。
失敗してそのリカバリにかなり苦労したが、次にやることがあれば、以下の手順を踏めば多分成功するだろう。
- 真鍮部分に半田がのりやすくなるよう、汚れを取ったり、やすりで削ったりしておく。
- ネジの部分に半田が垂れても大丈夫なように、マスキングをしておく。テープは剥がれやすいので、カッパーでやるのが良いだろう。
- ボールの部分に、ハンダを万遍なくできるだけ薄くのせる。
- ボールエンドを、ネジを下にして立て、上のボールの頂点の箇所に、30秒~1分ほど半田ごてを押し付け続ける。この時、事前にペーストをしっかり塗っておく。
- 余計な半田が下に流れて、ボールの部分が綺麗に薄く半田メッキされればok。マスキングを剥がして完成。ねじの部分を油性ペンで黒く塗る
良い感じになった。美しい。
今使っている三星ガラスカッターと。多分20年くらい前のもの。型番不明。
この古いガラスカッターは、多分今売られているものの中では、M16P-GCC-N-M16Pが一番近いと思う。色は違うが、形はほぼ同じだ。
三星のガラスカッターは、細身で格好良い...。
切れ味
う~ん、実際に数百枚ガラスをカットしてみたが、・・・正直あまり切れ味が良くない。今まで使ってたの(上の写真で右側のやつ)の方が明らかに良く切れる。APIOはガラスに刃が食い込む感じがなく、割るときも、しっかりスコアが入っていないのでより力がいるように感じる。実用には耐えられるが、前のより使えないのは残念なところだ。あと、切る時に「チー」という、良い「音」があまりしない。これはこういうもののようだが、音がした方が良いと思う。
ただまあ、使い始めたばかりなので、何か「コツ」や「くせ」のようなものがあるかもしれない。もうしばらく様子を見てみようかと思う。ちなみに自分は、結構力を入れてガラスを切る悪い癖がある...。
ガラスカッターのこと
毎日使ったとしてもそんなに消耗するものではないので、良く切れるカッターを使うことは大事なことだと思う。仕事で使うならば、願わくば世界で一番良く切れるガラスカッターを持っていたい。
このAPIOは、ヘッドの部分が小さいタイプで、曲線カット用だが、特に自分は曲線用と直線用のガラスカッターを使い分けていないので、一本だけあれば事足りる。切るガラスの厚さも、99%が2mm~4mmなので、厚さに合わせて代えることもない。まあ実際は、切るガラスの多くが直線なんだけれど、はじめに使ったのが曲線用のヘッドが小さいタイプで、それに慣れてしまって...。あと、大事なポイントとして、ヘッドの小さいカッターは、ガラスカットの際に刃先を見ながらカットを行える。これが、ヘッドの大きな直線用のカッターはだとそうはいかない。
他に気になっているカッターとしては、TOYOの振動カッターやBohleの青カッターがあるが、ちょっと買って試す勇気は今のところない。どこかで試し切り出来たら良いのだが。
今後、試すことがあれば、またレポートしたいと思う。