パテ・仕上げ
前回でハンダまで終わっているので、今回はパテ入れから。
パテはやや油が抜けて硬くなったものを、ベンジンを加えて柔らかくして使用している。
のみこみが少ない分、ケイムの溝が見えやすくなっているので、より丁寧に奥まで詰めていく。いつも通り、指でパテ詰め→ヘラで押し込み→千枚通しでパテ切りの手順でしっかりと。
パテ入れから4日が経過。仕上げを行う。
先ずは、ケイムに付着したパテを真鍮ブラシで磨いて完全に落とす。裏表の磨きが終わったら、次は腐食処理。
今回は、硫酸銅の5%ぐらいの溶液と、0.5%くらいの溶液の2種類を使用する。目指すは「綺麗なムラ」。霧吹きで5%の溶液をケイム全体に適度に付着させ、そのあと、0.5%の溶液をスポンジで丁寧に全体へ刷り込んでいく。
両面の腐食処理が終わったら、残液を綺麗に流し、水分を良く取って乾かす。
乾いたら、ガラスをウエスで磨いて汚れ・曇りをとり、完成。
ギャラリー
表から。
裏から。
当初の想定通り、左右ペアにしたイメージ図。
ケイムの染まり具合はこんな感じ。悪くはないが、玉虫色が殆ど出なかった。
斑点のようなムラになっている箇所は、斑点部分が5%の溶液、それ以外が0.5%の溶液で腐食された後だと思われる。
腐食は、数日前に腐食したこのパネルと比べると地味な色になった。
硫酸銅の濃度、こすり具合、処理時間などが関係しているのだろうが、なかなか常に同じ綺麗な色に腐食することができない。難しい。
振り返り
予め小さなパネルを作って検証したので、改めて思うことはそんなにない。ただ、大きくなると、その分だけ大変だなというのは間違いない。感覚的に、ガラスカット~組みの段階では、FH6を使った時の倍以上は時間が掛かるだろうか。
ガラスはとにかくジャストサイズでなければいけないので、シビアなルーターでの研磨、ガラスの切り直し、組み直し、が多発する。それでもなお、全てを綺麗に組めているとは言い難い。
ケイムはかなり弱く、組んでいる最中、組む終えた後のライン直しでかなり傷んでしまう。その結果、ケイムの幅が微妙に変わってきてしまったり、ハンダが綺麗に乗らなかったりする。
それ以外で気付いたことは、
・FH3はケイムが本当に弱いので、芯は極力抜かないように。
・点ハンダは、出来るだけ小さく付ける。大きくすると、すぐにハンダがケイムの溝へ落ちてしまい、ガラスが変に固定されてしまう。
・各工程の途中途中でチェックをこまめに。後から前の工程に戻って直すのは手間が掛かる。
3mmで組むのは、50ピース以内くらいにしておいた方が良いかもしれない。FH4になるとかなり組みやすくなると思うので、次回はそれでいこうと思う。