蝶のステンド③ - 組み・ハンダ

image



組み

前回でガラスカットまで終わっているので、今回は組みから。

image

下紙の通りに、下から順に組んでいく。


image

ここで初めて気付いたのだが、今回使用しているFH3は、上面と下面の厚さが全然違うものが含まれている。この写真でも分かる通り、左側は右側の1/3倍くらいしか厚みがない...。


使用したケイム全てがそうだった訳ではないが、これは結構厳しい。ただでさえ直ぐに傷んでしまうのに、この薄さだと、広げて元に戻すと、もうそれだけでかなり傷んでしまう。また、ケイムは、上下の厚みだけでなく、のみこみのも、左右で多少違っていることがある。


image

蝶の部分は形が複雑なので、別の紙の上で組み、後から合体させた方がやり易い。


image


image

FH3で組むのに慣れていないというのもあるが、一発でピタリと会うことは、ほぼない。少しだけ大きくてルーターで削ったり、小さくて切り直したりの連続。


ただ、今回のデザインは、直線部分は精密さが必要だが、蝶の曲線部分はラインが多少違っても、不自然さはない。


image


image

組みが完了。



ハンダ

image

表面の点ハンダへ。


image

下紙はケイムの幅の外に1mmずつ黒い線を引いているので、それが見えていれば、綺麗に図面通り組めている証拠。


image


image

表面の点ハンダ完了。



image

裏返して裏面の点ハンダ。今回は、より厳密にラインを合わせたいため、反転した敷き紙を用意して、その上で行っている。


裏返すと、流石に至る所でガラスがケイムから飛び出していた。それを一つずつ修正しながら、点ハンダを行っていく。


image

裏面の点ハンダが完了。



image

裏面→表面の順で全面ハンダを施す。裏側はケイムの汚れが少ないので、圧倒的に綺麗にハンダが流れる。表面は、どうしても凸凹に...。


image

できるだけ一発でハンダを流すようにする。上手くいかなかった個所をもう一度やっても、そんなに良くはならない。


また、同じ個所を何度もやると、ケイムが溶けたり中に流れ込む率も高くなる。その点でも、ケイムの状態を確認し、きちんと形を整えた後、一発で決めるようにした方が良い。


image

全面ハンダ完了。熱湯で良く洗って、ペーストをできるだけ除去しておく。ペーストが残っていると、この後のパテ詰めに影響が出そうなので。


image



今回はここまで。次回は、パテ入れ~仕上げ→完成の予定。



 Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


関連する記事 - Related Post

蝶のステンド② - 製図・ガラスカット

製図・デザイン修正 前回のデザイン画を元に、Illustratorで製図をする。 製図をすると分かることが沢山ある。初期デザインの段階では細部まで考えずに書いているが製図をして番号を振ると、無理のあるガラスの割りが見つかったり、より良くなる...

蝶のステンド① - 構想・デザイン

構想・コンセプト 何となく、蝶のステンドが作りたくなった。 小さめのサイズで、ケイムはFH3sを使う。 FH3は初めて使う。一番幅が細いケイムなので、これでどこまで組めるか、試してみたい。 デザイン ウェブで探せば無数に蝶の画像が出てくる。...

3mmのケイムで組むステンドグラス

3mm幅のケイムで組む 普段使っているマツムラメタル製のフラットケイムには、FH3~FH15までのサイズがある。一般的にはFH5~FH12位までが使われることが多く、幅が細すぎたり広過ぎるケイムはあまり使われない。 特に、FH3やFH4につ...

フランシスW.リトル邸③ハンダ・仕上げ【フランク・ロイド・ライト】

全面ハンダ 前回までで表裏の点付けが終わっている。そこへ、全面ハンダを施していく。 点付けの際もそうだが、フラックスは液体のものではなく、自家製のペーストを使用する。一見液体フラックスの方が付きが良さそうだが、飛び散ったフラックスがケイムを...
Top