クーンレイ・レジデンス
今回取り上げるのは、以前に取り上げたクーンレイ・プレイハウスと同じく、「クーンレイ」の名を冠した建物で、クーンレイ・レジデンス(Coonley Residence)や、エイヴリー・クーンレイ・コンプレックス(Avery Coonley Complex)、クーンレイ・ハウス(Coonley House)などとと呼ばれている。名前や家の感じからして、プレイハウスを建てた実業家のエイブリー・クーンレイ(Avery Coonley)氏の私邸か共同住宅なのだろうが、情報が少ないのではっきりとは判断できない。
いかにもライト、といったプレイリースタイルの家で、冒頭の写真などは、見ているだけでワクワクしてしまうような、重厚感と遊び心のある素晴らしい建物だ。
ステンドグラスの方は、プレイハウスの方とは対照的に、直線オンリーの落ち着いていたデザインが特徴的で、これが建物に良く馴染んでいる。同じようなデザインのパネルが邸宅の至る所に何十枚も入っていると思われるが、この、何とも言えない粗密のきいた玄人向けのデザインが、たまらない。
パネルの一番の特徴は、太いケイムで囲われた白のオパレッセントグラスの箇所で、周りの細いケイムとの関係性などが、このライトのパネル以外ではあまり見られない、独特の形になっている。それが、何とも言えないバランス上のスパイスになっていて、見るものを飽きさせない何かを放っている。
YouTubeにあった映像。建物とステンドの感じが良く分かる。
デザイン
今回も、この邸宅のステンドグラスのテイストを使ったデザインを描いてみる。
先ずは、何年か前に描いて、作らずそのまま放置しているデザイン。
W512mm×H1012mmで、ケイムは12mm、6mm、3mmを使用。272ピース。
ほぼ実際の建物に入っているのそのままに近いデザイン。実物は左右で一枚ずつのパネルだが、それを合わせて1枚にした感じ。
ケイムを3mm-6mm-12mmと倍々にしているのが特徴で、それによりメリハリをつけている。これは、このパネルだけでなく、ライトのステンドデザイン全般に見られる特徴である。
ただ、実際に3mmのケイムを使うのは大きなパネルでは少々リスキーなので、実制作するとしたら、そこは再考の必要があるかもしれない。
次は、もう少しオリジナリティーを加えたもの。W424×h1724。
粗密を考えるとある程度大きくなってしまう。まあ、このサイズを試作で実際に作るのは厳しいが、デザインだけならこうやって描くことはできる。
このテイストのパネルは、デザインやサイズは変わるだろうが、いつかは実制作することになるだろうと思う。いつになるか分からないが、今から楽しみだ。