若冲から読み解く、創作に必要なモノ。

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若冲から読み解く、創作に必要なモノとは?

若冲の絵を見ていて、そんなことを色々と考えた。


記憶が薄れない内にメモっておこうと思う。




イマジネーション

江戸時代の京の町で、若冲はどんな想いで創作に勤しんでいたのだろうか。


イマジネーションとは、発想力、閃き。それには、遊び心や冒険心、ワクワク・ドキドキ、ユーモアのセンス、などのキーワードが大いに関係しているように思える。


それを支えるのは、ストレスがなく常識にとらわれない、フワフワとした自由な心。雑味のないピュアな魂。

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モチーフの組み合わせの妙。辺り一面の犬。所狭しと並ぶ動植物。白鳳と老松、鳥と雪・・・意味がある?ない?なんて問題じゃない。何となくでも何でも良い。良いものは良いのだ。結果が全て。


人は、何か良く分からないモノに惹かれる習性がある。

構図


構図が良い。つまり、見せ方が上手い。余白の使い方も、そこから何かしらを感じられるようにしてある。


今日、構図には理論的な説明ができる要素もあるが、当時はそんなものはない。閃きと勘で構図を決めていたのだろう。


ただ、一つ思うのは、裏彩色があるので、裏からも見ていたんだろうな、ということだ。表裏、どちらからの鑑賞にも耐えられる構図であることが、結果的に構図の良さを生み出していたのかもしれない。

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クオリティー

圧倒的な手数の多さ。そして、圧倒的なクオリティの高さ。、筆で緻密に書くのが基本形だが、ぼかし、グラデーション、裏彩色と、技術も圧倒的だ。当然のこととして、色使いも秀逸。気の遠くなるようは反復練習に裏打ちされた奇跡の腕前を前にして、人々は声を失う。


また、動植綵絵などを見ると、どれも細かいものが集積している。鳥の羽、花ビラ、葉脈に至るまで。クラスタ感がやはり重要なのだと再認識。理由は良く分からないが、人は細いものが沢山集まった状態に惹かれるようだ。


ふと思ったが、村上隆の絵は、若冲の絵に通ずるものがある。影響を受けているのかもしれない。


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想い

若冲の絵を見ていると、迷いがなく、やりきっているのが感じ取れる。ブレがない。ここだ!と思った要点を、ひたすら信じ抜き、それを貫き通して具現化している。だから想いが伝わってくる。


圧倒的な「覚悟」とぶれない心。何故、青物問屋のボンボンにそんなものが備わっていたのだろうか・・・。


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こだわり

誰に見せびらかすでもなく描いた絵から、何故か圧倒的な何かが伝わってくる。


圧倒的なこだわり、画を描きたい、モノを作りたいという、圧倒的な願望、そして執念と実行力。一体何が若冲を突き動かしたのだろうか。


そして変態。それも尋常じゃない変態っぷり。狂ってる。己の狂に準ずる覚悟と自信。


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まとめ

緻密と大胆、素朴、そして遊び心の同居


これだけのイマジネーション、センスとひたむきさが同居して、かつ変態な人ってのは、ま~いない。だからこれだけ騒がれ、悠久の時を越えて人が集まる。今回の展示では、色々と考えさせられたし、沢山のヒントをもらえた。

今回、強引に言語化してみたが、言葉にできない、絵肌から滲み出る何か。潜在意識に直接訴えかけてくるような世界観が、若冲の神髄なのだろうとも感じる。


また機会があったら、若冲のコアに迫ったみたいと思う。






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