構想
街を歩いていて見かけた、バーカウンター下のタイルの柄。そのまますぐにステンドの線に置き換えれそうなので、実際に試してみる。
ポイントは、絶妙なラインの流れと、線に囲まれてできるタイル(ステンドではガラス)の形。シンプルで質素ながらも、艶のある意匠だ。タイルの色とその組み合わせも、ガラスで出来るだけ再現してみる。
特別なモチーフがなくても、ただシンプルな柄だけのステンドも、立派なステンドである。余計な部分に目がいかないだけに、ガラス自体の綺麗さを表現しやすい。
デザイン
イラストレーター上に写真を取り込み、先ずそのまま線をトレースしてみる。
実際のタイルの柄は結構歪んでいるので、それを幾何学的な図形に変換した結果が、下のようなもの。
良く見ると、太い線で書いた真円を半分にした図形の組み合わせで出来ている、とみなすことができる。
円形の図形以外には横線が入るが、縦線は入っていない。上の図の左側、縦に細い線がある箇所を見ると分かるが、円の太い線の端の部分の組み合わせで、縦線のように見せているのである。
これをつなげて並べてみる。
外枠を付けて、実際のステンドの線にしたもの。FH5を使う想定で、サイズはW266×H407。ケイムはFH5以上が望ましい。FH4以下だとケイムが薄くて柔らかすぎるので、ラインが出しにくいからだ。ガラスカットも組も難易度が上がる、というのもある。
それでいてある程度柄を細かくし、パネルの大きさを小さくすると、こうなってしまう。ただ、実際のタイルのイメージとは結構違っている。
FH5で、もう少し線を細く見せたバージョン。サイズはW448×H627。FH5を使うのは変わらないので、線を実際に細くするのではなく、柄を大きくすることになる。この種のステンドは、柄をある程度沢山並べることに大きな意味がある。従って、柄が大きくなると、自ずとパネル自体も大きくなってしまう。
このテイストが、実際のタイルの柄にかなり近い。
上の柄から、横の直線をなくしたバージョン。これはこれで良い。
話を戻して、FH4を使ったバージョン。W299×H372、49ピース。試作として実際に作ることを考えると、こうなった。やはりオリジナルのテイストに近く、試作なので小さめのサイズで、それでいてある程度細かく、となると、ケイムを細くせざると得ない、という結論に。これで実際に作ってみる。
Illustratorで塗り絵。あくまでイメージで、実際には実物のガラスを見て決めることとする。基本的に全ピース同じ形なので、ガラスカット後に色の並びを決めることもできる。
次回、製図、ガラス選び、ガラスカットなどを行う予定。