ガラスカットのコツ - 個人的メモ

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ガラスカットのコツ

ステンドグラス制作に欠かせないガラスカット。これ正確に行う方法についてまとめてみる。


ゴール

・型紙通りに正確にカットする。

・それによりルーター作業の手間を極力省く。


ガラスピースの数が多いと、ガラスカット後の成型・研磨作業(自分の場合は主にルーターを使用している)に膨大な時間をとられる。自宅での作業では、騒音の問題があるため、ルーター作業を夜間に行えない(昼間でもいささか迷惑)、というのもある。


そんな訳で、少しでもガラスカットを正確に行って、手間のかかるルーター作業を減らしたい。そのための戒めとして、薄々気付いてはいたが、常に意識するとまではいっていない、ガラスカットのコツをまとめてみる。


なお、ガラスカットのやり方には、

・カットラインを引いてそれを基準に切る方法、

・型紙をガラスに当て、型紙の縁にガラスカッターの刃を引っ掛けて直接カットする方法、

があるが、今回は前者のラインを引いて切る方法でのやり方である。

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ガラスカットの基本 - 当たり前のこと

先ずは基本的なことのおさらいから。


型紙を正確に作る

良く使われる、マツムラメタルのFH5~FH12くらいのケイムのハート(芯)は約1.2mmである。


基本的に、直線は1.5mm、曲線は1.75~2mmくらいで型紙の芯を落としている。型紙のカットが手作業であるため、先ずはこの型紙カットを正確に行う必要がある。



カットラインを正確に引く

型紙とガラスには段差があるので、先の丸いペンでカットラインを引くと、引かれたラインは型紙より大きくなってしまう。先の尖ったペンを使うのが良い。


また、型紙をきちんと押さえ、動かないように固定して正確にラインを引く必要がある。複雑な形であればあるほど、型紙はズレやすい。


ラインの内側に、正確に刃を入れる。

ガラスカッターが左右に傾くことなく、しっかりと垂直を維持する。前後の適切な傾きにも気を配る。


カットする際の姿勢や力の入れ具合などには個人差があるが、自分に合ったベストなやり方を掴むようにする。


大きくなってしまうのは最悪で、カットライン内側より、気持ち小さく切るくらいが丁度良い。



カットライン通りに刃を正確に入れられないのは、それは技術や慣れの問題なので、これはもう、日々精進するしかない。



ただ、ある程度正確にカットできても、どうしても「バリ」はできてしまう。


バリとは、ガラスカットの際に刃を入れたの外側に生じる不要な部分のことを指し、カットしたガラスの断面が斜めになることにより生じる。


右の写真で言うと、ガラスの右側の凸凹した部分のことだ。



バリが出ないようにカットできれば良いが、それには、ガラスカッターをガラスに対して適切な力で垂直に入れてカットし、綺麗に割り取る必要がある。簡単な様で、それがなかなか難しい。従って、とりあえず、多少のバリはできてしまう前提で、この後の話を進める。


ガラスカットは、カットライン通りに切れているとしたら、バリによって大きくなることはあっても、小さくなることは決してない。従って、結果的にジャストサイズで切るためには、バリを考慮して小さめに刃を入れて、結果的に良い感じに切れている状態を目指す必要がある。


この後の話は、主にその辺りに焦点を置いていく。



「えぐり」と「はり」の切り分け

カットラインには、「直線」「えぐり」「はり」の3種類がある。


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直線

直線は定規を当てて切るだけで「バリ」も出来にくい。かなり正確にカットできる。


えぐり

「はり」に比べると、あまり酷いバリはできない。また、ルーターの刃のカーブと同じ向きであるため、刃がガラスに面で当たり、バリが削り易い。


はり

えぐりの逆で膨らんだ形を、「はり」と呼ぶことにする。「はり」は、バリが出来やすい。原因は、ガラスの性質や、ガラスカッターの刃が外側に向きやすいことが考えらえる。


「はり」は、バリが多くできてしまうことを考え、やや小さめにカットするのが良い。具体的には、0.5~1mmくらいはカットラインより内側に刃を入れる。


「はり」にできたバリは、ルーターでも削るのが大変だ。ルーターの刃のカーブの逆向きであるため、ルーターの刃が点でしか当たらないからだ。



X角形の法則

ガラスの形には、三角形、四角形、五角形・・・曲線とあるが、この角数が増えるほど、小さくカットした方が良い。


理由は、角数が増えるほど面が増え、ケイムに当たる箇所が増えるため、ガラスがケイムで固定され易いからだ。言い換えると、ケイムとガラスがピタッと合わなくなる。


ガラスが複雑な形になっても、ケイムはガラス程綺麗には曲がらないため、間に隙間ができてしまう。その分ガラスを小さめにする必要があるのだ。


また、ガラスの画数が多くなればなる程、複雑になればなる程、囲まれるケイムも複雑になりがち。そうなると、ケイムが傾いたり歪んだりでハートが太くなってることが多い。その影響も受ける。


ちなみに、三角形は隙間が埋まり易く、想定より小さくなりがちなので注意が必要だ。


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上の図は、黒線がケイムのハート、青がガラスを表している。ケイムとガラスの間に僅かな隙間ができるが、三角だけは、隅にガラスが寄った際に、反対側に大きく隙間が空いているのがわかる。


具体的には、上の図で言うと、例えば各隙間が0.5mmだとした場合、三角以外は0.5+0.5で1mmの隙間にしかならないが、三角形の場合は、0.5+0.5×2で1.5mmの隙間が空いてしまう。他と比べ、1.5倍も違うのだ。


なお、上の図はあくまでイメージであり、角数が多いほど、細かなバリや歪みが邪魔をして、ケイムにピタっとは当たらない。



小さいピースは大きめに、大きいピースは小さめに。

小さいピースは傾きの影響を受けやすい。ケイムに囲まれた状態のガラスは、厳密に言うと水平ではなく、やや傾いている。ピースが小さいと、その傾きの影響を受けやすいのだ。


従って、小さいピースを更に小さく切りすぎてしまうと、ガラスとケイムの間に隙間が空いてしまうことがある。ジャストサイズか、気持ち大きいくらいでカットしても良いかもしれない。


大きいピースは、どこかに見落としがちなバリや膨らみがあったりする。小さいのはそれが少ない。大きいピースは、やや小さめに切っても、それで丁度良かったりする。


また、大きいピースは大きくなってしまった時のダメージがデカい。ルーターで削るのがしんどい。小さいピースは削るのが簡単だ。



途中で型紙を当てる・直線を最後にカットする

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型紙は、カットラインを引くのに使ったら、次は切り終わった最後に確認のためにガラスと合わせてみたりするが、最後だけでなくカットの途中でも合わせてみて、その都度微妙な大きさを調整すると、より正確にガラスがカットできる。


また、例えば上ののようなガラスカットの場面であれば、曲線を先に切っておいて、最後に直線カットで辻褄を合わせるようにすると、より正確にカットできる。


なおこれは、慣れれば型紙を合わせなくても、その都度で大きめに・小さめに切って調整できるようになったりもする。



その他

●安いガラスなら小さくなり過ぎて使えなくてもダメージが小さいので、小さめに切るべき。高いガラスは、大きくても小さくても駄目なので、兎に角ミスらないように正確に切る。


●小さいピースは仮に小さくなり過ぎてもダメージが少ない。失敗して小さくなり過ぎてもまた切り直せば良い。前々項の話と矛盾するが、このような見方もできる。


●ガラスの性質によって切り分ける。分が厚いのは小さめに。バリができ易いガラスは大きめに、といった具合に。


●使用するケイムによって切り分ける。のみこみが大きければ、思い切って小さく切ろう。それで何の問題もない。ただ、組んだ後にカタつき、パテを入れた後にガラスが動いてしまうなどという弊害もあるので、程々に。


●同じ形を大量にカットするなら、やや小さめに。例えば100個切って、5つが小さ過ぎて使えなくても、その方がトータルで早いし楽だ。



以上のこととしっかりと踏まえ、ガラスカットを行うこと。特に、どの程度カットラインの内側から更に内側に刃を入れれば良いかを常に考えながら切ること。


色々と書いたが、もしかしたら自分だけの問題!?のようなことも含まれていると思うので、今回は個人的メモとしておいた。


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