ケイムで立体を組む-小形ランプシェード【前編】

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前々からずっと作りたいと思っていた、ケイム組みの立体です。

難易度が高そうなので、初めての今回は小形のランプシェードを試しに作ってみます。。


先ずは【前編】。構想・デザイン~ガラス・カットまでです。



構想・事前準備 - Concept

一般には、ステンドグラスで立体を作ると言ったら、ほぼ99%カッパーを使って作ります。しかし、ケイムでも立体を作ることができるのです。


という訳で今回、チャレンジしたいと思います。


先ずは、実家にケイムで組んだランプシェードがあるのでご紹介します。

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こんな感じです。

基本的には単純な形のものしか作れません。

しかし、何かケイム組みのランプシェードにただならぬ可能性を感じています。



デザイン・完成イメージ - Design

イラストレーターでデザインします。


初めてで自信がないので、単純な、球体に近いものを作ります。ガラスピースは、12面、5段で60枚にします。


立体のデザインは平面と違ってかなり難しいのですが、今回は図面で計算してサイズを算出していきます。


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断面図です。正16面体を基に、そこから10面を使う感じです。

垂直の部分を作ることにより組み易くなります。


下の図は平面図(上から見た図、水平の線のみ)です。




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そしてこちらが完成イメージ。


こうやって、大変ですが実際に描いてみると、イメージが明確になって良いです。





製図・型紙作成 - pattern making

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計算で出した数字を基に型紙を平面で描きます。この辺りは、詳しい説明は省きますが、下にご紹介するサイトを見ると、大いに参考になるかと思います。


基本的な考え方として、断面図と平面図が描ければ、あとは簡単な数式で型紙の数字が算出できるので、それを基にイラストレーターで型紙を作成すれば良いです。


勿論手書きでも良いですが、イラレの方が断然楽で正確かと思います。



How to design stained glass lamp shades

手で図面を描くやり方が載っています(英語)。


Perfect stained glass lamp designing without maths.

上のサイトの動画バージョン1。


Fast & accurate template making for a stained glass lamp shade.

動画バージョン2。



イラストレーター上で、実際の寸法に基づく具体的な数値に落とし込み、型紙を作成します。この辺りは、イラストレータは実寸で簡単に印刷できるので楽です。


今回は、ケイムのハートは1.6mmぐらいなので、型紙では1.8mmほど抜きます(間を空けます)。下の実際の印刷した型紙でいうところの、赤字で型紙をカットします。

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型紙用の紙に直接印刷します。


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正確にカッターでカットして型紙の完成!



ガラス選び - glass selection

今回は初挑戦ということもあり、チープなガラスでいきます。

仏サンゴバン社のエストラドです。端材の有効活用みたいなものですね。


ランプシェードは、本当はオパレッセントの方が良いですが、今回は実験的な要素が強いのでコレでいきます。

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ガラスカット - glass cut

ガラスを切っていきます。5×12で60枚です。


そもそも型紙が正確に切れているか自信がない場合は、型紙を下紙に合わせて確認すると良いでしょう。型紙が正確に切れていない場合は、ガラスカット時にそれを考慮してカットすることにより、微調整します。

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ガラスのカットが終わりました。



ケイム準備 - lead came preparation

今回はFH8を使用します。


本当はもう少し細い方が良いかなとも思いますが、手元にあるのでこれで。

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ちょっとボロいケイムですが、これで何とか・・。



今回はここまで。【後編】で実際にパネルを組み上げ、完成に向かいます!



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