【前編】に続いてケイム組みの立体です。
今回は、組み~完成まで。
前回からかなり時間が経ってしまいましたが、なんとか。。
組み - Assembly
机に直接釘を打つので、ベニアを買ってきてその上で組むことにしました。
組む前にガラスの形を整えます。今回はルーターがないので、石のやすりとガリで整形。
ちなみに、この方法は異常に時間が掛かるので全くオススメできません。素直にルーターを買いましょう。。
ガラスの形が整ったら、早速組んでいきます。先ずは下から2段目だけを平組みします。
このような感じで、一本のケイムに、ガラスとガラスと同じ長さのケイムを差し込んでいきます。
12枚揃ったら、反対側にも長いケイムを差し込みます。
ケイムの接点をハンダ付けします。
この段階では、まだ仮止めのハンダで大丈夫です。
全てのハンダ付けが終わったら、ケイムを曲げて丸くしていきます。
両サイドは、平組の段階でこのようにケイムを余らせておき、この段階で余分なケイムを切り落として合体させます。
下から2段目が組めました。この段階で、しっかりと形を円形に整えます。
上のように、実寸に拡大した12角形の形に合わせてみると良いでしょう。
次に、一番下の段を組みます。ケイムとガラスを交互に差し込んでいき、その都度ケイムをハンダで仮止めします。ケイムとガラスの間に隙間ができないよう、しっかりと形を意識して組んでいきます。
平組の際もですが、今回はケイムをケイムに差し込むので、このように差し込む側のケイムの端を少し潰します。差し込まれる方のケイムは、逆に広げておきます。
また、垂直線に対するケイムの傾きに応じてケイムの端の断面を斜めにしておくと、差し込みやすく、きっちり奥まで差し込めます。
縦のラインが組めました。
次に、ランプの一番下になる部分にケイムをグルっと差し込んでいきます。
差し込んだら、ハンダで仮止めし、逆さまにします。
次は3段目を組んでいきます。縦に一番上まで通したケイムと3段目のガラスを、交互にハンダで仮止めしながら差し込んでいきます。
3段目のガラスを入れ終わった段階です。
形の歪みを気にしながら、慎重に進めていきます。
続いて2段目です。ここは、横のケイムを通しながら組んでいきます。
2段目が組めました。ケイムの接点を仮止めするためにケイムを潰し、ハンダ付けします。どの段目を組む際も、ハンダ付けの前にはしっかりと形を整えます。
次は1段名です。2段目もそうですが、横に入れるケイムは、ガラスと同じ長さに切り、端を潰します。その際、ケイムはガラスに合わせて台形にします。
1段目が全て組めました。
同様に、ケイムの接点を平らに慣らして、
ハンダ付けします。
この段階で、一番上の余った縦のケイムは、ガラスの面に合わせて切っておきます。
一番上の部分に、ハンダで仮止めしながらケイムをしっかり開いて差し込みます。
全ての接点をハンダで仮止めできました。
一番上に付けるパーツです。
今回はたまたまサイズがぴったりでした。
ハンダ付けする前に、前面にハンダを流しておきます。
この状態で、パーツとケイムをしっかりハンダ付けします。
ここまでこれば、完成イメージがはっきりとします。
全面ハンダ - The entire surface of the solder
今回は、全面にハンダを流します。ハンダ付けの前に、表側のすべてのケイムの端をヘラなどで潰してガラスに密着させておき、ケイムを真鍮のブラシでしっかり磨いてハンダの乗りが良くなるようにしておきます。その状態でハンダを流します。
ハンダを綺麗に流すには、ケイムの表面の錆や汚れを除去しておく必要があります。表面の状態がとても大事です。
良く溶けたハンダは斜面を流れます。傾斜が強すぎるとハンダが流れ落ちてしまうので、工夫して綺麗にハンダを流します。
表面のすべてにハンダを流し終えました。
裏面も同様に全面ハンダを施します。
裏面の全面ハンダが完了しました。
仕上げ - Finish
ハンダを終えたら、真鍮ブラシで表面・裏面を良く磨き、表面の状態を整えます。
そして、水と中性洗剤でフラックスなどの油汚れをしっかりと取り除きます。
今回は試作ということもあり、ケイムを黒く腐食させる処理は行いません。
その代わりに、馬毛のブラシでしっかり磨き上げて、出来るだけ黒くしておきます。
そして、最後にこのようなパーツを組み込んで完成です。
完成 - Completion
宙に釣ると結構小さく見えます。
光をともせば、あまりケイムの色は関係ないですね。腐食させなくとも黒く見えます。
振り返り・反省点 - Reflection
いろんな工具や部材がなかったため、異様に時間が掛かってしまいました。特にケイムが途中で足りなくなったのが痛かったですね。同じケイムを手に入れるまでに時間が掛かりました。
出来上がったものを良く見ると、形が少し歪んでおり、違和感があります。すべての工程を抜かりなく丁寧に進めることが、当たり前ですが大事です。そしてそれ以前に、歪みを正確に見抜く目がとても大事です。絵を描くのと粘土か何かで立体をつくるのは、難易度がまるで違います。それと同様に、ステンドもパネルと立体では、当然立体の方が難しい訳です。
歪みを抑えるために、土台となる平で組んだ2段目は、円形にした後すぐ両面に全面ハンダをして形を固定した方が良かったですね。
今後は、もっとピース数を増やして、デザインも凝ったものにしたいです。勿論ガラスも工夫して。その際、一番下の形をどうするかがカギな気がします。今回のは、一番下がスパっと味気なくなっていて、ちょっと寂しいんですよね
総じて、試作品としてはまずまずの出来かと思います。
今回の反省を大いに踏まえて、次回は作品と呼べるレベルのものに仕上げられればと思います。
乞うご期待!