組み・ハンダ
前回でガラスカットまで終えたところ。今回は組みから。
長方形のガラスだけの組み合わせなので、ガラスカットが正確であれば組みに時間は掛からない、はず...。
組み終えたところ。
ケイムの間隔を気にしつつラインを合わせ、点ハンダを行う。
表裏の点ハンダが完了。少し光にかざしてみる。
続いて全面ハンダ。クリア部分のガラスが4mmで左右のケイムが15mmなので、全面ハンダを施すと、かなり重量感が出る。
両面の全面ハンダを終えたら、ペーストを熱湯で洗い流す。
乾かして水気がとれたら、パテ入れを行える。
パテ・仕上げ
パテを入れ終わり、軽くクリーニングしたところ。ガラスが厚いので、通常よりもパテの入りは少ない。
この状態で放置し、パテを乾かす。
10日ほど経過。はみ出たパテを切り、ケイムを真鍮ブラシで良く磨けば、腐食作業の準備は完了。
硫酸銅の5%水溶液で腐食した直後の状態。今回は、全体的に銅色が強めに出た。
別のパネルを同じ濃度の液で腐食した時とは、また違った趣になった。腐食時のちょっとしたスポンジの動かし方や、液を洗い流すまでの時間、水溶液の温度、気温などに左右されて色が変わるのだろうが、予想がつかない。時間が経つと、また色は変わる。
この後、ガラスを綺麗にクリーニングし、ステンドグラス用のポリワックスを塗布して更にケイムとガラスを磨き、完成。
完成
振り返り
縦長の細長いガラスの強度は、4mmのガラスを使うことにより十分に保たれた。これがもし3mmであったら...、できなくもないが、制作中の扱いをもっと慎重にする必要があっただろうし、もしかしたら製作途中で割れていたかもしれない。
今回のステンドグラスは、典型的な、多くの人がイメージするような煌びやかなステンドグラスではなく、生活空間に溶け込むタイプのステンドグラスだ。単体で見ると地味かもしれないが、建物に入れば、きっとその空間に、さやかな彩りを与えてくれることだろう。
このパネルはこの後、Y様の手に渡り、取り付けられる日を待つことになる。